はまきり
「ごめんなさい、僕こんな顔だからよく女に間違えられてしまうんですよ。」
雪野は困ったように微笑んだ。
「僕のことはユキって呼んでください。」
「あ、よろしく…」
「さっきまでちょっと運動してたから汗かいちゃって、シャワー浴びてたんです。ごめんなさい、すぐ服着ますね。」
ユキはすぐにジャージの上を着ると、部屋の中央にあるテーブルのそばの座布団に座った。
「二段ベッド、上と下どっちがいいですか?」
「えっと…じゃあ下で。」
「わかりました!」
ユキは笑顔で頷く。
よかった、内部進学だからなんだか怖い人を想像していた。
優しそうないいやつだ。
「ユキ、その…この学校のこと教えてくれないか。」
「浜霧高校のことですか?…そうですね、野添くんは外部から来たんですもんね。」