はまきり




ユキの言う通り、俺も少し外を探検してみるのもいいかもしれない。


この学校のことをもっとよく知る必要がある。





俺は汚れた制服を脱ぎ、シャワーを浴びると、ジャージに着替え寮の外に出た。


妖怪と人間…


ここに集められたのはそのどちらにも当てはまり、そのどちらにもなれない存在。


妖怪と人間の間に生まれた子供…


ということは、俺の父親と母親のどちらかが妖怪ということになる。


そして、妹も俺と同じ妖怪と人間のハーフということ。


両親とはずっと一緒に暮らしてきたが、特に不思議なことはなかった。


もしかして、ここの生徒なのだろうか。


だから力を制御して、人間の世界で暮らして…いや、俺がこの高校への入学が決まったとき、あの二人はこの高校がどんな場所なのか知らない様子だった。


知らないふりをしたのか?


両親のどちらかが妖怪だとして、それは夫婦間でもう知っているのか?


そもそも俺はなんの妖怪の血が流れてるんだ…?




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