はまきり
「あの…私そんな…」
「あれ?この男オリエンテーションのときの…」
1人の女子生徒が俺に近づき、上から下までじろじろと眺める。
「新入生か。それじゃあユウのことあまり知らないのよね。」
その女子生徒は笑みを浮かべながら言った。
「この女に関わんない方がいいわよ。こいつ淫魔だから。男は精気吸われて死ぬわよ。」
「インマ…?」
「知らないの?サキュバスっていう妖怪よ。男をたぶらかす淫魔。」
「やめて!」
悠が叫んだ。
「なによ、ユウのくせに大声出して生意気よ!」
女子生徒は悠を突き飛ばす。
突き飛ばされた悠はそのまま地面に手をついて倒れた。
「そろそろ夕飯の時間だわ。行きましょ、みんな。」
女子生徒たちは寮の方へ歩き出した。
去り際に、1人が俺に耳打ちした。
「ユウとは関わんない方がいいわ。淫魔だからとかじゃなくてね。」