はまきり




車の内部から外の様子は全く見えない。


どこへ向かっているのか、どこを走っているのか、全く分からなかった。


本当に大丈夫なのだろうか…不安は募っていく。





「ところで、野添さん。あなたは見た目に出たりはしていないのですね。」


「?」


「それともぱっと見で見つからない所になにかあるのですか?」


なんの話だろうか。


なにかってなんだ?


「でも、…そうですね。見た目に出ている人がこんな歳までこっちで生活なんて出来ませんからね。」


「あの…なんの話ですか?」


「…あ。もうすぐ到着ですよ。」





結局、何か分からず車は停車した。


「到着です。」


車のドアが開く。


俺は車の外に出た。


「本日の予定は入学オリエンテーション、その後は入寮式ですね。では、浜霧での生活を楽しんでくださいね。」


メイさんは車に戻ると、俺を残して車を走らせ、行ってしまった。


1人残された俺は、目の前の巨大な建物を見上げる。





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