はまきり
体育館を出ようとしたところで、誰かが俺の肩を叩いた。
「野添さん!」
振り返ると、ユキが立っていた。
「ユキ…」
「え、野添ちゃん?!誰、この子めっちゃ可愛い!!」
神木がユキの手を握る。
「えっと、ユキちゃん?初めまして!神木レイです!今彼氏とかいるの?」
「え…あの、僕は…」
ユキが助けを乞うように俺を見るので、俺は取り敢えずユキの手を握り締める神木の手を解いた。
「よく見ろ、神木。制服が男子用だろ。ユキは男だ。」
「…え?」
神木はユキの全身を凝視する。
「雪野康太です。よろしくお願いします、神木さん。」
「……」
神木はよほどショックが大きかったのか固まっていた。
が、すぐにユキの手を握り直す。
「もう、男でもいいや!」