恐怖へいざなうメールはいかが～from.ミチカ

オープニング

　昨日の携帯電話の使用時間、十五時間。一昨日の携帯電話の使用時間、十四時間三十分。一週間前、アルバイトが休みの日の、携帯電話の使用時間、十八時間…高校に入学して、アルバイトが出来るようになって一年と二ヶ月が経つが、一日の使用時間が十時間を下回った事はない。
　使用時間のほとんどは、メールのやり取りに費やしている。毎日、寝ている時とアルバイトをしている時以外は、携帯電話を片手に持ったまま生きているに等しい。請求額は毎月一万円を下回るが、動かしすぎなのか、高校に入ってから電池パックが一年しか持たなかった。これでも美容のために睡眠時間を確保しようと、ガマンしているのに。
　もちろん中学生の頃は、月三千円くらいでチマチマとメールをしたり、請求額が上がらないよう時間を気にして通話していた。今のようにおかしくなったのは、バイトをして自由に使えるお金が出来てから。親しいメル友とは、メール交換以外にも実際に会ってカラオケをしたり、ゲームセンターに行って遊んだりしている。三日に一回は遊んでいるので、アルバイトで稼いだお金もあっという間に無くなる。
　ハッキリ言って、携帯電話依存症。自分でもよくわかっている。でも、止められない。やめたらきっと…死ぬ。
　ただ、誰かに止めて欲しい自分もいた。