恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
(そう言えば、同封されていたメモ用紙に『霊から身を守ってくれます』って書いてあったっけ)
「本当に効く…」
効果のすごさを納得せずにいられなかった。
すると、携帯電話の電池切れを知らせる警告音が鳴った。ほぼ予定通りの時間だ。充電しなければ使えない。
私は入り口の近くにかけられた時計を見た。
(昼休憩終了まであと三分か。ラッキーな事に今は誰も充電していないみたいだから、やろうかな。でも充電したら、またメールを受信する。【あの子】からメールを受信する。そしたらまた、何か起こるかもしれない。もう何も起こって欲しくないのに…)
そんなことを考えていたら、教室に誰かが入って来る気配を感じた。室内を見渡せば、あのキモ暗い…いや、よく見れば、暗そうな雰囲気の青年が、後ろの出入り口際に申し訳なさそうに立っていた。
この前の対応を思い出すと、私の方も申し訳ない気持ちになった。まっすぐ見ていられず、目をそらしてしまった。
「何の用よ」
素直にもなれない。心の中で『ひどいこと言ってゴメンね』と思っているのに。
「あの…大丈夫?」
「何が?」
「その…悪霊らしい嫌な気配を感じたし、変な叫び声が聞こえたから気になって様子を見に来たんだ」
『悪霊』と聞き、イジをはっていた心が揺らいだ。初めて会った時も、彼は見ず知らずの私を助けてくれようとした。
彼になら勇気を出して、これまでとってきた自分の態度が悪かった事を謝っても良いと思った。
「ぼ、僕の勘違いだったら…ゴメン」
私の気持ちを知らない彼は、ますます申し訳なさそうに首をすくめ下を向いた。時折、長い前髪の間から私を見ながら。
(そういえば、彼の事名前さえ知らない。キモくて暗い男って、バカにするばかりだった…)
私は彼をちゃんと見た。彼は一瞬ビクッ、と体を震わせた。驚いたと言わんばかりに。
「ねえ、なんて名前なの?」
「ぼ、僕?」
「本当に効く…」
効果のすごさを納得せずにいられなかった。
すると、携帯電話の電池切れを知らせる警告音が鳴った。ほぼ予定通りの時間だ。充電しなければ使えない。
私は入り口の近くにかけられた時計を見た。
(昼休憩終了まであと三分か。ラッキーな事に今は誰も充電していないみたいだから、やろうかな。でも充電したら、またメールを受信する。【あの子】からメールを受信する。そしたらまた、何か起こるかもしれない。もう何も起こって欲しくないのに…)
そんなことを考えていたら、教室に誰かが入って来る気配を感じた。室内を見渡せば、あのキモ暗い…いや、よく見れば、暗そうな雰囲気の青年が、後ろの出入り口際に申し訳なさそうに立っていた。
この前の対応を思い出すと、私の方も申し訳ない気持ちになった。まっすぐ見ていられず、目をそらしてしまった。
「何の用よ」
素直にもなれない。心の中で『ひどいこと言ってゴメンね』と思っているのに。
「あの…大丈夫?」
「何が?」
「その…悪霊らしい嫌な気配を感じたし、変な叫び声が聞こえたから気になって様子を見に来たんだ」
『悪霊』と聞き、イジをはっていた心が揺らいだ。初めて会った時も、彼は見ず知らずの私を助けてくれようとした。
彼になら勇気を出して、これまでとってきた自分の態度が悪かった事を謝っても良いと思った。
「ぼ、僕の勘違いだったら…ゴメン」
私の気持ちを知らない彼は、ますます申し訳なさそうに首をすくめ下を向いた。時折、長い前髪の間から私を見ながら。
(そういえば、彼の事名前さえ知らない。キモくて暗い男って、バカにするばかりだった…)
私は彼をちゃんと見た。彼は一瞬ビクッ、と体を震わせた。驚いたと言わんばかりに。
「ねえ、なんて名前なの?」
「ぼ、僕?」