恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「もう、手を離してったら!仕事中なのに行けるわけないでしょ。明日まで待ってよ!」
私はうっとうしげに彼の手を払った。大好きな先輩に、悪霊に取り憑かれているなんて知られたくなかった。知られたら嫌われそうだった。ただ、森田にも本音を知られたくなくて、悪い頭を一生懸命働かせて言い訳を考えた。先輩同様、彼にも嫌われたくなくて。
不安に胸をドキドキさせながら森田の耳元に口を寄せると、小声で話した。
「あのね、店の中にはお客さんがいるの。私に悪霊が憑いているなんて知ったら、店の信用はガタ落ち。大変なことになるの。大声で言わないでよ」
「だったら、今日はもう仕事を止めて、浄霊に行こう。一刻を争うんだ」
「誰だかわからないけど、私にお守りをくれた人がいるの。そのお守り、すっごい強力で、寄ってきた悪霊を弾いたの。だから、少しは時間稼ぎができると思うんだ。ほら、浄霊のお金ってけっこう高いから、いつもより多く働かなきゃ。浄霊料を払ったら、メル友と遊ぶお金が無くなっちゃうの」
「僕のお小遣い、来月分前借りして貸してあげるから、今日はバイトを休もう。本当にピンチなんだよ!」
「大丈夫だって。ほら、パートのおばちゃんが怖い顔で見ている。嫌味言われる前に、仕事に戻らなきゃ」
私はクルリと背を向けて仕事へ戻ろうとした。冗談抜きでヤバイ。このまま話していたら、店長にチクられてしまう。
(先日、森田とモメた件で目を付けられている。これ以上、問題を起こさないようにしなきゃ)
すると、森田が私の手をつかんだ。
「待って!」
「もう、何よ!」
「あのお守りは、僕が作ったものなんだ。確かに低級霊は弾ける。でもね、浄霊をお願いした陰陽師が送ってきたメールに、こんなことが書かれてあった。今川さんの命は『風前の灯』だって」
「・・・!」
「悪霊は、ミチカって子は、今すぐにでも今川さんの魂を手に入れたいらしい。証拠に、ミチカが送ってきたメールには『直接、会いに行きます』って書いてあった。実際に行動を起こす…つまり、魂を奪いに来るって事だよ」
私はうっとうしげに彼の手を払った。大好きな先輩に、悪霊に取り憑かれているなんて知られたくなかった。知られたら嫌われそうだった。ただ、森田にも本音を知られたくなくて、悪い頭を一生懸命働かせて言い訳を考えた。先輩同様、彼にも嫌われたくなくて。
不安に胸をドキドキさせながら森田の耳元に口を寄せると、小声で話した。
「あのね、店の中にはお客さんがいるの。私に悪霊が憑いているなんて知ったら、店の信用はガタ落ち。大変なことになるの。大声で言わないでよ」
「だったら、今日はもう仕事を止めて、浄霊に行こう。一刻を争うんだ」
「誰だかわからないけど、私にお守りをくれた人がいるの。そのお守り、すっごい強力で、寄ってきた悪霊を弾いたの。だから、少しは時間稼ぎができると思うんだ。ほら、浄霊のお金ってけっこう高いから、いつもより多く働かなきゃ。浄霊料を払ったら、メル友と遊ぶお金が無くなっちゃうの」
「僕のお小遣い、来月分前借りして貸してあげるから、今日はバイトを休もう。本当にピンチなんだよ!」
「大丈夫だって。ほら、パートのおばちゃんが怖い顔で見ている。嫌味言われる前に、仕事に戻らなきゃ」
私はクルリと背を向けて仕事へ戻ろうとした。冗談抜きでヤバイ。このまま話していたら、店長にチクられてしまう。
(先日、森田とモメた件で目を付けられている。これ以上、問題を起こさないようにしなきゃ)
すると、森田が私の手をつかんだ。
「待って!」
「もう、何よ!」
「あのお守りは、僕が作ったものなんだ。確かに低級霊は弾ける。でもね、浄霊をお願いした陰陽師が送ってきたメールに、こんなことが書かれてあった。今川さんの命は『風前の灯』だって」
「・・・!」
「悪霊は、ミチカって子は、今すぐにでも今川さんの魂を手に入れたいらしい。証拠に、ミチカが送ってきたメールには『直接、会いに行きます』って書いてあった。実際に行動を起こす…つまり、魂を奪いに来るって事だよ」