恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
私は父と母が助かって嬉しい反面、心の中に大きな罪悪感を抱いた。
(ゴメンなさい、本当にゴメンなさい!怖い思いさせてゴメンなさい!二度とこんな思いさせないからね!)
しかし今の私には、自分を責めさいなむ時間すら許されなかった。
「あっ、あれっ!」
森田が叫んだ。見れば、彼は引きつった顔で魔界の入り口を指さしていた。
「…ひっ!」
示されるまま魔界の入り口を見れば、血の通っていない真っ白い手が、いくつも床をつかんでいた。その手はゆっくり伸び、ベタン!と大きい音をたて、少し先にある床を叩いた。そして指先に力を入れると、ギュギュギュッと高い音をたて、つかんだ。立て続けに、反対の手で先にある床をベタン!と叩けば、またギュギュギュギュッと高い音をたて、つかんだ。手は吸盤のように床に吸い付き、滑り落ちていく気配はない。どんどん前へ進んでいく。
よく見れば、黒い頭が四つ見えていた。人間の頭だ。しかし、ちっとも親近感が沸かない。黒くうねる手が棲む世界に、人間の姿はそぐわない。マッチしないのだ。私達は違和感と共に、背筋を走る悪寒を感じた。
現れた四つの頭は、ベタンベタン、ギュッギュッと音をたて、床を這い、少しずつ姿を現していく。背中が現れ、腰が現れ、尻が現れ、膝の裏が現れ、ふくらはぎが現れ、足を現した。とりあえず全員、人間のように見える。ただ下を向き這いつくばっているので、髪がたれて顔が見えない。よけい恐ろしく感じる。
その四人全員が、私達へ向かって確実に近付いてきた。
「こっ、来ないで。来ないでっ!」
「クソッ!援軍を呼んだか、シツコイな!」
森田は私を守るよう前に立つと母からお守りを受け取り、悪霊をにらんだ。悪霊はひるむことなく近付いてくる。
化け物を見ていたら、ふと、ある事に気づいた。
「ねえ、もしかして…化け物達はミチカと同じ学校に通っていた人?」
「なんで?」
「化け物が着ている制服、ミチカが着ている制服と色が似ていない?スカートの丈も、デザインも」
(ゴメンなさい、本当にゴメンなさい!怖い思いさせてゴメンなさい!二度とこんな思いさせないからね!)
しかし今の私には、自分を責めさいなむ時間すら許されなかった。
「あっ、あれっ!」
森田が叫んだ。見れば、彼は引きつった顔で魔界の入り口を指さしていた。
「…ひっ!」
示されるまま魔界の入り口を見れば、血の通っていない真っ白い手が、いくつも床をつかんでいた。その手はゆっくり伸び、ベタン!と大きい音をたて、少し先にある床を叩いた。そして指先に力を入れると、ギュギュギュッと高い音をたて、つかんだ。立て続けに、反対の手で先にある床をベタン!と叩けば、またギュギュギュギュッと高い音をたて、つかんだ。手は吸盤のように床に吸い付き、滑り落ちていく気配はない。どんどん前へ進んでいく。
よく見れば、黒い頭が四つ見えていた。人間の頭だ。しかし、ちっとも親近感が沸かない。黒くうねる手が棲む世界に、人間の姿はそぐわない。マッチしないのだ。私達は違和感と共に、背筋を走る悪寒を感じた。
現れた四つの頭は、ベタンベタン、ギュッギュッと音をたて、床を這い、少しずつ姿を現していく。背中が現れ、腰が現れ、尻が現れ、膝の裏が現れ、ふくらはぎが現れ、足を現した。とりあえず全員、人間のように見える。ただ下を向き這いつくばっているので、髪がたれて顔が見えない。よけい恐ろしく感じる。
その四人全員が、私達へ向かって確実に近付いてきた。
「こっ、来ないで。来ないでっ!」
「クソッ!援軍を呼んだか、シツコイな!」
森田は私を守るよう前に立つと母からお守りを受け取り、悪霊をにらんだ。悪霊はひるむことなく近付いてくる。
化け物を見ていたら、ふと、ある事に気づいた。
「ねえ、もしかして…化け物達はミチカと同じ学校に通っていた人?」
「なんで?」
「化け物が着ている制服、ミチカが着ている制服と色が似ていない?スカートの丈も、デザインも」