恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「さもなくば?」
「その青年は魔界へ落ち、二度と戻って来られなくなる」
「…死ぬって、ことか?」
「そうだ」
「そんな…そんな事あるわけないだろ!山口の体を見てみろよ。どこも傷がついていないんだぜ。なのに死んじまうなんて…信じられるか!」
『ナラバ、ココデ殺シテ ミルカ』
ミチカは言うなり、刀を青年の魂へ向かって振り下ろした。
「えっ!?」
青年の魂は、頭の天辺から真っ二つになり、霧になったかと思うと、一瞬で消えてしまった。小さな骨一つ残っていない。
全員、予想外の事態に、悲鳴さえ上げられなかった。ミチカの刀が魂と体を切り離すだけでなく、魂を粉々に砕いてしまう。おそらく、魔界どころか天国へも行けない。
輪廻転生もできない。ここで、終わりだ。
目撃した私達は、その恐怖をはねのける事ができなかった。
「ひっ、ひぇーっ!」
残された青年は、慌てて身をひるがえし、転びそうになりながら走って店を飛び出した。ようやく事の重大さを理解したらしい。
そんな中、陰陽師は深呼吸した。呼吸音は乱れ、厳しい修行を積んだ彼さえ恐怖にうちひしがれているのを、ひしひしと感じた。
―ミチカは、本当に強い。本当に強い悪霊だから。―
一歩、ミチカが前へ出た。陰陽師はジリッと、一歩後ろへ下がる。またミチカが一歩前へ出る。陰陽師はさらに一歩さがる。
陰陽師の目は闘志に満ちていたが、先ほどまでのように積極的に攻撃へ出ようとしない。私達の命を守るために完全な勝利を収めなければならないので、迂闊に動けないのだろう。
『ドウシタ、カカッテ来ナイノカ?サッキハ ガムシャラニ来タデハナイカ』
「一息に攻め落としたのでは、お主が反省せぬと思ってな。ジワリジワリと責め立て、犯した過ちの重さを痛感させてやる」
『私ハ 気ガ短インダ。オ前ガ 来ルマデ待ッテ イラレナイ!』
ミチカは叫ぶのと同時に数歩走ってジャンプし、陰陽師へ向かって刀を振り下ろした。
「その青年は魔界へ落ち、二度と戻って来られなくなる」
「…死ぬって、ことか?」
「そうだ」
「そんな…そんな事あるわけないだろ!山口の体を見てみろよ。どこも傷がついていないんだぜ。なのに死んじまうなんて…信じられるか!」
『ナラバ、ココデ殺シテ ミルカ』
ミチカは言うなり、刀を青年の魂へ向かって振り下ろした。
「えっ!?」
青年の魂は、頭の天辺から真っ二つになり、霧になったかと思うと、一瞬で消えてしまった。小さな骨一つ残っていない。
全員、予想外の事態に、悲鳴さえ上げられなかった。ミチカの刀が魂と体を切り離すだけでなく、魂を粉々に砕いてしまう。おそらく、魔界どころか天国へも行けない。
輪廻転生もできない。ここで、終わりだ。
目撃した私達は、その恐怖をはねのける事ができなかった。
「ひっ、ひぇーっ!」
残された青年は、慌てて身をひるがえし、転びそうになりながら走って店を飛び出した。ようやく事の重大さを理解したらしい。
そんな中、陰陽師は深呼吸した。呼吸音は乱れ、厳しい修行を積んだ彼さえ恐怖にうちひしがれているのを、ひしひしと感じた。
―ミチカは、本当に強い。本当に強い悪霊だから。―
一歩、ミチカが前へ出た。陰陽師はジリッと、一歩後ろへ下がる。またミチカが一歩前へ出る。陰陽師はさらに一歩さがる。
陰陽師の目は闘志に満ちていたが、先ほどまでのように積極的に攻撃へ出ようとしない。私達の命を守るために完全な勝利を収めなければならないので、迂闊に動けないのだろう。
『ドウシタ、カカッテ来ナイノカ?サッキハ ガムシャラニ来タデハナイカ』
「一息に攻め落としたのでは、お主が反省せぬと思ってな。ジワリジワリと責め立て、犯した過ちの重さを痛感させてやる」
『私ハ 気ガ短インダ。オ前ガ 来ルマデ待ッテ イラレナイ!』
ミチカは叫ぶのと同時に数歩走ってジャンプし、陰陽師へ向かって刀を振り下ろした。