恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「僕のも…僕の命もくれてやる。だから今川さんを助けてくれ!二人分もあれば十分だろ!」
とたん、ミチカはアッハッハッ、と野太い声で豪快に笑った。
『心配シナクテイイ。オ前達ノ命ナラ全部モラウ。魂ハ イクラアッテモイイカラナ。サア、コイツラ全員カラ、魂ヲ モラッチマイナ!』
『オッケー!』
イジメッ子四人組は手を肩の高さに上げると、私達へ向かって伸ばしてきた。そのスピードはとても速く、逃げるまもなく捕まった。銭湯に立った森田と父は一番に、私は二番に、母は三番に。
化け物の手はヒンヤリと冷たかった。体を右へ左へ捻ってもほどけない。どんどんグルグル巻きにされ、蚕のようになっていく。森田も父も母も恐怖に顔を歪め、目は死を覚悟していた。
ミチカの持つ刀は、切れ味バツグンだ。痛いのは一瞬だろう。
(でも、考えようによってはいいのかな。生きるのは大変だもんね。『楽しい』『幸せ』『嬉しい』って思えるのって、一日で何分あるかわからない。嫌な事の方が多すぎる。だったら、ここで露と消えてしまうのもいいかもしれない)
絶望のあまり、私は投げやりに考えた。
そんな時、森田や父、母の顔が目に飛び込んできた。彼らを見て、私はハッとした。
(…私はそれでいいけど、父さんは?母さんは?森田は?みんなはそれでいいと思うかな?)
三人を改めてみる。三人とも絶望的な顔をしながらも、何度も体や腕を動かし、化け物の手をほどこうとしている。私のようにあきらめたりしていない。チャンスさえあれば逃げようと思っている。
―生きようとしている―
(森田君も父さんも母さんも生きようとしているのに、私と同じ道を歩ませるわけにはいかない。なんとかして三人を助けなくちゃ!)
私は目を閉じ、考えた。そうすれば、何か一つくらい方法がヒラめくかもしれないと思った。
そうは言っても、私は普通の女子高生。おまけにミチカは、厳しい修行を積んだ陰陽師を殺すほど強い力を持っている。ミチカを相手に、どうやって三人を助けられるのだろうか。
とたん、ミチカはアッハッハッ、と野太い声で豪快に笑った。
『心配シナクテイイ。オ前達ノ命ナラ全部モラウ。魂ハ イクラアッテモイイカラナ。サア、コイツラ全員カラ、魂ヲ モラッチマイナ!』
『オッケー!』
イジメッ子四人組は手を肩の高さに上げると、私達へ向かって伸ばしてきた。そのスピードはとても速く、逃げるまもなく捕まった。銭湯に立った森田と父は一番に、私は二番に、母は三番に。
化け物の手はヒンヤリと冷たかった。体を右へ左へ捻ってもほどけない。どんどんグルグル巻きにされ、蚕のようになっていく。森田も父も母も恐怖に顔を歪め、目は死を覚悟していた。
ミチカの持つ刀は、切れ味バツグンだ。痛いのは一瞬だろう。
(でも、考えようによってはいいのかな。生きるのは大変だもんね。『楽しい』『幸せ』『嬉しい』って思えるのって、一日で何分あるかわからない。嫌な事の方が多すぎる。だったら、ここで露と消えてしまうのもいいかもしれない)
絶望のあまり、私は投げやりに考えた。
そんな時、森田や父、母の顔が目に飛び込んできた。彼らを見て、私はハッとした。
(…私はそれでいいけど、父さんは?母さんは?森田は?みんなはそれでいいと思うかな?)
三人を改めてみる。三人とも絶望的な顔をしながらも、何度も体や腕を動かし、化け物の手をほどこうとしている。私のようにあきらめたりしていない。チャンスさえあれば逃げようと思っている。
―生きようとしている―
(森田君も父さんも母さんも生きようとしているのに、私と同じ道を歩ませるわけにはいかない。なんとかして三人を助けなくちゃ!)
私は目を閉じ、考えた。そうすれば、何か一つくらい方法がヒラめくかもしれないと思った。
そうは言っても、私は普通の女子高生。おまけにミチカは、厳しい修行を積んだ陰陽師を殺すほど強い力を持っている。ミチカを相手に、どうやって三人を助けられるのだろうか。