恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
ひどい仕打ちをするミチカは憎いけれど、リリコからのメールの内容を知った彼女は、制服の胸元をグショグショに濡らし、泣きじゃくっていた。迷子の子供がようやく母と再会できた時のように激しく泣く姿は、私達の怒りを中和させるだけの効果が十二分にあった。
「もしかして、クズミ リリコって、ミチカと一緒に自殺したけど、助かった子かな?」
「ああ、たぶん」
森田は深くうなずいた。
「でも、何で父さんの携帯電話にメールが届いたんだろ?父さん、リリコの事知らないみたいだし」
「今川さんは、今、携帯電話持っている?」
「ううん、アルバイト中は使用禁止になっているから持っていないの。鞄の中に入れっぱなし」
「だとしたら、もうミチカは死んでいるから携帯電話が使えないし、今川さんも持っていないから、お父さんの携帯電話に送ってきたんじゃないかな」
「なるほど…」
するとミチカが制服の袖口で涙をぬぐいながらやって来た。ミチカの腕はいつの間にか、元に戻っていた。
私達の側へ来ると、右手の指をパチン、と鳴らした。すると敷き布団ほどの厚さで絡んでいた腕がスルスルとほどけ、あっという間にイジメッ子達の元へ戻った。もちろん、イジメッ子達はひどく怒っていた。
『テメェ、フザケンナ!』
『何シヤガル!』
しかしミチカは動じない。両手とも拳を強く握りしめ、強い意志のこもったまなざしで私達を見た。
『…私、成仏シタイ』
「えっ!」
私と森田は驚いて顔を見合わせた。
『成仏ダ?デキルワケ ナイダロ。テメェ何人 魔界ニ落トシタカ知ッテイルカ?三百人以上ダゾ。ソンダケ人を殺シテオイテ、成仏ナンカ サセテモラエルカ!』
『コレカラ沢山、償イヲ スルト約束スル。神様ニ約束スル。ダカラ神様、私ヲ成仏サセテ下サイ!』
ミチカは胸の前で手を合わせ、天井を見上げた。
『無利無理無理無理!三百人殺シタオ前ヲ、神様ガ許シテクレルワケガナイ!絶対、許シテクレナイ!』
「もしかして、クズミ リリコって、ミチカと一緒に自殺したけど、助かった子かな?」
「ああ、たぶん」
森田は深くうなずいた。
「でも、何で父さんの携帯電話にメールが届いたんだろ?父さん、リリコの事知らないみたいだし」
「今川さんは、今、携帯電話持っている?」
「ううん、アルバイト中は使用禁止になっているから持っていないの。鞄の中に入れっぱなし」
「だとしたら、もうミチカは死んでいるから携帯電話が使えないし、今川さんも持っていないから、お父さんの携帯電話に送ってきたんじゃないかな」
「なるほど…」
するとミチカが制服の袖口で涙をぬぐいながらやって来た。ミチカの腕はいつの間にか、元に戻っていた。
私達の側へ来ると、右手の指をパチン、と鳴らした。すると敷き布団ほどの厚さで絡んでいた腕がスルスルとほどけ、あっという間にイジメッ子達の元へ戻った。もちろん、イジメッ子達はひどく怒っていた。
『テメェ、フザケンナ!』
『何シヤガル!』
しかしミチカは動じない。両手とも拳を強く握りしめ、強い意志のこもったまなざしで私達を見た。
『…私、成仏シタイ』
「えっ!」
私と森田は驚いて顔を見合わせた。
『成仏ダ?デキルワケ ナイダロ。テメェ何人 魔界ニ落トシタカ知ッテイルカ?三百人以上ダゾ。ソンダケ人を殺シテオイテ、成仏ナンカ サセテモラエルカ!』
『コレカラ沢山、償イヲ スルト約束スル。神様ニ約束スル。ダカラ神様、私ヲ成仏サセテ下サイ!』
ミチカは胸の前で手を合わせ、天井を見上げた。
『無利無理無理無理!三百人殺シタオ前ヲ、神様ガ許シテクレルワケガナイ!絶対、許シテクレナイ!』