恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「本当だ。不思議…」
「いいから春乃、早く続きを読んで」
「うっ、うん。えーっと。『でも、ミチカさんの事でお役にたてるならと、返信メールを送ります。…ミチカさんに伝えて下さい。「魔物になんか、負けないで!絶対、天国へ行って下さい。ミチカさんには、幸せになる権利があるんだから」って』」
「…終わり?」
「うん」
「それで、終わり?」
「うん」
森田は少しガッカリした。二通目も届く気配はなく、短いメール一通でミチカを励ませるかどうか心配なのだ。
「そっか…でも、たぶんミチカはリリコの事が大好きだから、リリコからもらったメールなら、一通でも十分効果はあるんじゃないかな」
「ああ、そうか。そうかもね」
「ミチカ、聞いていたかな?ちゃんとリリコの思い、届いたかな」
「もう一回、読んでみれば?できるだけ大きい声で、魔界の入り口へ向かって」
「そんな、危ないじゃない!魔界の住人は成仏できなくて機嫌悪そうなのよ。大声出したりしたら、魔界へ引っ張り込まれた上、リンチされるかもしれなわ」
「逃げる準備をして、一回だけ読むの。それならいいでしょ?」
「でも…」
「このままじゃ、何も変わらない。悪霊にずっと脅え続けなければならない。だったら、危険を覚悟してやった方がいい。ダメなら、それまでの寿命だったのよ」
「春乃…」
「とにかく、やってみる。父さん、母さん、森田君、成功を祈って」
私は三人を見回すと、魔界の入り口を見た。そして天国からの光が降り注いでいる場所を見た。
天国からの光は私がいる場所の右手にあるカウンターの左斜め後ろ、元は四人がけの椅子やテーブルがあった場所に燦々と降り注いでいた。しかし今は椅子もテーブルも遠くへ転がされ、何もない。魔界の住人も成仏できないと悟ったのか穴へ戻り、証明の具合を調節している舞台のように見えた。
「いいから春乃、早く続きを読んで」
「うっ、うん。えーっと。『でも、ミチカさんの事でお役にたてるならと、返信メールを送ります。…ミチカさんに伝えて下さい。「魔物になんか、負けないで!絶対、天国へ行って下さい。ミチカさんには、幸せになる権利があるんだから」って』」
「…終わり?」
「うん」
「それで、終わり?」
「うん」
森田は少しガッカリした。二通目も届く気配はなく、短いメール一通でミチカを励ませるかどうか心配なのだ。
「そっか…でも、たぶんミチカはリリコの事が大好きだから、リリコからもらったメールなら、一通でも十分効果はあるんじゃないかな」
「ああ、そうか。そうかもね」
「ミチカ、聞いていたかな?ちゃんとリリコの思い、届いたかな」
「もう一回、読んでみれば?できるだけ大きい声で、魔界の入り口へ向かって」
「そんな、危ないじゃない!魔界の住人は成仏できなくて機嫌悪そうなのよ。大声出したりしたら、魔界へ引っ張り込まれた上、リンチされるかもしれなわ」
「逃げる準備をして、一回だけ読むの。それならいいでしょ?」
「でも…」
「このままじゃ、何も変わらない。悪霊にずっと脅え続けなければならない。だったら、危険を覚悟してやった方がいい。ダメなら、それまでの寿命だったのよ」
「春乃…」
「とにかく、やってみる。父さん、母さん、森田君、成功を祈って」
私は三人を見回すと、魔界の入り口を見た。そして天国からの光が降り注いでいる場所を見た。
天国からの光は私がいる場所の右手にあるカウンターの左斜め後ろ、元は四人がけの椅子やテーブルがあった場所に燦々と降り注いでいた。しかし今は椅子もテーブルも遠くへ転がされ、何もない。魔界の住人も成仏できないと悟ったのか穴へ戻り、証明の具合を調節している舞台のように見えた。