恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
『立ち入り禁止』と印刷されたテープの向こうにある、店の出入り口に立っていた警官二人をテープの外から招き寄せ事情を説明すると、背広を着ている警官に相談した後、鞄を返しても良いと言うオッケーが出た。ただ店内へは入れず、応対してくれた警官のうち一人が、私が説明した場所へ取りに行き渡してくれた。
彼らの対応を見ていたら、自分はもう店の関係者じゃない気がした。
その後、大通りでタクシーを捕まえ、自宅へ向かった。バイト先から自宅までは、車で十分で着いたが、降りるとものすごい疲れに襲われた。
しかし家に入ると母は疲れも見せず、すぐお風呂の準備を始めた。お湯が適量溜まると、父、母、私の順に入浴した。
たっぷり湯の入った湯船は暖かくて、とても気持ちよかった。私はようやくホッとした。
お風呂から上がると、先に入った父と母がテレビを見ながらリビングでくつろいでいた。私は台所へ行き、冷蔵庫から紙パックに入ったオレンジジュースを取り出し、コップになみなみ注ぐと一息で飲み干した。
すると父と母は、見ていたテレビを消した。
「春乃、こっちへおいで。話しがあるんだ」
「話し?」
言われるままリビングへ行き、L字型に置かれた一人がけ用のソファーに腰を下ろすと、長いソファーに並んで座っていた父と母は真剣な顔で私を見た。
「話しって、何?」
「いや…その…一言謝ろうと思って」
「謝る?何を?」
父と母は、申し訳なさそうに顔を見合わせうなずいた。
「こんな事になった原因は、俺たちにもあると思うんだ。俺たちは春乃とちゃんと向き合っていなかった。ほったらかしだった」
「お母さんは、春乃がいつも寂しそうにしているのをわかっていたわ。でも…つい仕事に夢中になって、かまおうとしなかった」
「だからきっと、目の前でわが子が殺されかけるなんて、ひどい事が起きたんだ」
「そうね、天罰が下ったんだわ」
「そんな、天罰だなんて…元々の原因を作ったのは私なんだし。父さんと母さんのせいだなんて思わないで」
すると父と母は、一緒に頭を下げた。
「ゴメンな、春乃。これからは、春乃とちゃんと向き合っていくから」
彼らの対応を見ていたら、自分はもう店の関係者じゃない気がした。
その後、大通りでタクシーを捕まえ、自宅へ向かった。バイト先から自宅までは、車で十分で着いたが、降りるとものすごい疲れに襲われた。
しかし家に入ると母は疲れも見せず、すぐお風呂の準備を始めた。お湯が適量溜まると、父、母、私の順に入浴した。
たっぷり湯の入った湯船は暖かくて、とても気持ちよかった。私はようやくホッとした。
お風呂から上がると、先に入った父と母がテレビを見ながらリビングでくつろいでいた。私は台所へ行き、冷蔵庫から紙パックに入ったオレンジジュースを取り出し、コップになみなみ注ぐと一息で飲み干した。
すると父と母は、見ていたテレビを消した。
「春乃、こっちへおいで。話しがあるんだ」
「話し?」
言われるままリビングへ行き、L字型に置かれた一人がけ用のソファーに腰を下ろすと、長いソファーに並んで座っていた父と母は真剣な顔で私を見た。
「話しって、何?」
「いや…その…一言謝ろうと思って」
「謝る?何を?」
父と母は、申し訳なさそうに顔を見合わせうなずいた。
「こんな事になった原因は、俺たちにもあると思うんだ。俺たちは春乃とちゃんと向き合っていなかった。ほったらかしだった」
「お母さんは、春乃がいつも寂しそうにしているのをわかっていたわ。でも…つい仕事に夢中になって、かまおうとしなかった」
「だからきっと、目の前でわが子が殺されかけるなんて、ひどい事が起きたんだ」
「そうね、天罰が下ったんだわ」
「そんな、天罰だなんて…元々の原因を作ったのは私なんだし。父さんと母さんのせいだなんて思わないで」
すると父と母は、一緒に頭を下げた。
「ゴメンな、春乃。これからは、春乃とちゃんと向き合っていくから」