恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
彼はいつもどこか遠慮がちだった。それが今は、同年代の男子のように元気いっぱい笑っていた。
(森田君、何か吹っ切れたみたい。よかった…)
彼の笑顔を見ていたら、私まで幸せになった。心もポカポカしてきた。まるで春の柔らかな日差しの中にいるようだ。とても気持ちいい。
(ずっとこうしていたい、森田君の側にいたい、森田君の笑顔を見ていたい…)
心の底から思った。
とたん、次の授業の準備を知らせる予鈴が鳴った。私も森田もハッとして、屋上にいる他の生徒を見た。他の生徒達はバタバタと後片づけをすませると、足早に階段を下り、それぞれの教室へ向かっていった。
しかし私と森田は、とりあえず立ち上がったものの、彼らをボーッと見るばかりで動こうとしなかった。ただただ見ていた。
屋上は、あっと言う間に私達二人だけになった。
…いや、本当は行かないだけだった。行ってしまえば、森田と二度と会えないような気がした。それがイヤだった。
気が付けば、私の心臓はドキドキしていた。沢山砂糖をつかったスイーツのような、甘いドキドキ。おまけに頭は緊張のあまり、ちゃんと動かない。伝えたい思いは沢山あるのに、気の利いた言葉が思い浮かばない。森田もそっぽを向いたまま、こっちを見ようとしない。
(早く言わなきゃ。授業が始まっちゃう!…ええい、ダメでもともと。やるんだ!)
私は深呼吸した。すると、森田も深呼吸した。
「あのっ!」
私達は同時に叫んでいた。まるで一卵性の双子が話すような、ピッタリのタイミングで。緊張していたのも忘れ、驚いた。そして、二人同時に深呼吸した。
「ま、マネしないでよ」
「別に、そんなつもりじゃ…」
「だいいち、私のほうが0・0一秒早く『あのっ』って言ったの。だから、私が先に言う権利があるわ」
「そ、そうかなぁ…」
「そうよ!」
「そう言われると、そんな気がしてきたなぁ…」
「さあ、覚悟して森田君。これからスゴイお願いするから」
「すっ、スゴイお願い?僕で叶えられるかなぁ…」
(森田君、何か吹っ切れたみたい。よかった…)
彼の笑顔を見ていたら、私まで幸せになった。心もポカポカしてきた。まるで春の柔らかな日差しの中にいるようだ。とても気持ちいい。
(ずっとこうしていたい、森田君の側にいたい、森田君の笑顔を見ていたい…)
心の底から思った。
とたん、次の授業の準備を知らせる予鈴が鳴った。私も森田もハッとして、屋上にいる他の生徒を見た。他の生徒達はバタバタと後片づけをすませると、足早に階段を下り、それぞれの教室へ向かっていった。
しかし私と森田は、とりあえず立ち上がったものの、彼らをボーッと見るばかりで動こうとしなかった。ただただ見ていた。
屋上は、あっと言う間に私達二人だけになった。
…いや、本当は行かないだけだった。行ってしまえば、森田と二度と会えないような気がした。それがイヤだった。
気が付けば、私の心臓はドキドキしていた。沢山砂糖をつかったスイーツのような、甘いドキドキ。おまけに頭は緊張のあまり、ちゃんと動かない。伝えたい思いは沢山あるのに、気の利いた言葉が思い浮かばない。森田もそっぽを向いたまま、こっちを見ようとしない。
(早く言わなきゃ。授業が始まっちゃう!…ええい、ダメでもともと。やるんだ!)
私は深呼吸した。すると、森田も深呼吸した。
「あのっ!」
私達は同時に叫んでいた。まるで一卵性の双子が話すような、ピッタリのタイミングで。緊張していたのも忘れ、驚いた。そして、二人同時に深呼吸した。
「ま、マネしないでよ」
「別に、そんなつもりじゃ…」
「だいいち、私のほうが0・0一秒早く『あのっ』って言ったの。だから、私が先に言う権利があるわ」
「そ、そうかなぁ…」
「そうよ!」
「そう言われると、そんな気がしてきたなぁ…」
「さあ、覚悟して森田君。これからスゴイお願いするから」
「すっ、スゴイお願い?僕で叶えられるかなぁ…」