恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
(昨日の夜より、形がハッキリしてきたみたい…)
再び恐怖がよみがえった。怖くて全身がガタガタと震える。しかし助けを呼ぼうにも、クラスメイトの周りに影がいて近づけない。声も出ない。
ふいに、ある事に気づいた。しかし信じたくなくて、頭を左右にブルブル振って否定した。
(違う、違うよ。『あの子』に限って、そんな事するはずがないもの…)
頭の中でこれまで遭遇した出来事を、一つ一つ照らし合わせてみる。何度もやってみる。
こんな目に遭うのは、彼女が仕掛けたような気がしてならなかった。問題が起こったタイミングがピッタリ当てはまるのだ。
悲しくて泣きたくなった。それでもどうしても、彼女の仕業だと思いたくなった。
(このことは、落ち着いたらもう一度考えよう!よし、とにかく黒い影から逃げるために、校舎の中へ入ろう!)
ジリッ、と一歩、後ろへ下がる。先生が私に気づき、『早く来い!』と叫んでも、また一歩下がる。
とたん、男性と思われる、ズボンを履いたような黒い影がすごいスピードで近付いてきた。どこかへ向かって曲がる気配は無い。まっすぐやってくる。
私はひどく嫌な予感と恐怖に襲われ、体が硬直した。もう一度叫ぼうとしたが、どうしても声が出ない。喉に物を詰め込まれたように、出せない。
「おい、今川!何やっているんだ!まさか、サボる気じゃないだろうな!」
先生は半分キレたように叫んだ。動けない私はやむなく視線だけ向けた。『助けて!』と言う思いを込めて。もちろん先生は気づかない。私をサボりたいと思っている生徒としか見ていない。
(助けて…助けて先生っ!)
今は嫌味ったらしい先生でさえ、助けて欲しかった。本当にせっぱ詰まっていた。
とたん、影がグワッと近付いてきた。もう少しでぶつかりそうな距離で止まれば、バチッと音が立ちそうな勢いで目を開き、濁った黄色い目でジイッと見た。
『私ガ見エルノカイ、女。クックック、コッチノ世界ハ楽シイゾ。早ク…コーイ!』
影はマグマのように真っ赤な口を大きく開け、野太くてかすれた声で言った。ヒィーッ、ヒッヒッヒ、と下品に笑えば、大きくて黒い手を私の顔に向かって伸ばしてきた。影の手に捕まれば死んでしまいそうな気がした。
その瞬間、私の恐怖は最高潮に達した。
再び恐怖がよみがえった。怖くて全身がガタガタと震える。しかし助けを呼ぼうにも、クラスメイトの周りに影がいて近づけない。声も出ない。
ふいに、ある事に気づいた。しかし信じたくなくて、頭を左右にブルブル振って否定した。
(違う、違うよ。『あの子』に限って、そんな事するはずがないもの…)
頭の中でこれまで遭遇した出来事を、一つ一つ照らし合わせてみる。何度もやってみる。
こんな目に遭うのは、彼女が仕掛けたような気がしてならなかった。問題が起こったタイミングがピッタリ当てはまるのだ。
悲しくて泣きたくなった。それでもどうしても、彼女の仕業だと思いたくなった。
(このことは、落ち着いたらもう一度考えよう!よし、とにかく黒い影から逃げるために、校舎の中へ入ろう!)
ジリッ、と一歩、後ろへ下がる。先生が私に気づき、『早く来い!』と叫んでも、また一歩下がる。
とたん、男性と思われる、ズボンを履いたような黒い影がすごいスピードで近付いてきた。どこかへ向かって曲がる気配は無い。まっすぐやってくる。
私はひどく嫌な予感と恐怖に襲われ、体が硬直した。もう一度叫ぼうとしたが、どうしても声が出ない。喉に物を詰め込まれたように、出せない。
「おい、今川!何やっているんだ!まさか、サボる気じゃないだろうな!」
先生は半分キレたように叫んだ。動けない私はやむなく視線だけ向けた。『助けて!』と言う思いを込めて。もちろん先生は気づかない。私をサボりたいと思っている生徒としか見ていない。
(助けて…助けて先生っ!)
今は嫌味ったらしい先生でさえ、助けて欲しかった。本当にせっぱ詰まっていた。
とたん、影がグワッと近付いてきた。もう少しでぶつかりそうな距離で止まれば、バチッと音が立ちそうな勢いで目を開き、濁った黄色い目でジイッと見た。
『私ガ見エルノカイ、女。クックック、コッチノ世界ハ楽シイゾ。早ク…コーイ!』
影はマグマのように真っ赤な口を大きく開け、野太くてかすれた声で言った。ヒィーッ、ヒッヒッヒ、と下品に笑えば、大きくて黒い手を私の顔に向かって伸ばしてきた。影の手に捕まれば死んでしまいそうな気がした。
その瞬間、私の恐怖は最高潮に達した。