恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
(いきなりお説教?信じられない!)
「ちょうどいいから、これを機会に携帯電話を使うのやめればいいのよ。そうしたら、バイトだってしなくてすむんだから」
「母さん、それは言い過ぎだよ。今の子は携帯電話を持つのが当たり前なんだから、やめたりしたら仲間はずれにされるかもしれないだろ」
「それは選んだ友達が悪いのよ。人間が出来ていれば、携帯電話なんか持たなくったって仲間はずれにしたりしないわ」
母は全く父の言葉を受け入れようとしない。自分の意志を押し通そうとするばかり。私の怒りはますます増していった。
「携帯電話ばっかりイジってロクに勉強をしないから、目がクサったのよ。だから人の善し悪しも見抜けないのよ」
「母さん、いくら医者が大丈夫と言っても、春乃はまだ本調子じゃないんだ。もう少し優しい言葉をかけてあげたほうがいい」
「日頃の行いが悪い人間にかける優しい言葉なんかないよ」
「何も今説教しなくったっていいだろ。もっと体が元気な時に言えばいいじゃないか。かえってショックで立ち直れなくなる」
「ただでさえ勉強が出来ないんだ。今言わないと忘れるだろ」
「母さん!」
「今日はずいぶん刃向かって来るね。フン!でも私は、間違った事を言っていないよ。間違っているのはアンタだ。あとで覚えと…」
「もういいっ!」
私はガバッと起きあがると、携帯電話をわしづかみ、ベッドヘッドのすぐ上に取り付けられた棚に置いてあったバッグへ放りこんだ。きちんとたたんであったジャージやTシャツをおおざっぱに詰め込めば、床に置いてあった靴を一緒に持って病室を飛び出した。裸足だった。
「春乃、どこへ行くんだ!」
父が後から追っかけてきた。私は白くて冷たい床を全力で駆け抜けた。
父が身を案じてくれるのは、すごく嬉しかった。でも、捕まりたくなかった。捕まれば父が母の代わりに謝り、母を許すよう説得するだろう。母は少しも謝らないのに…
(そんなのイヤ、許せない。絶対許せない!)
「ちょうどいいから、これを機会に携帯電話を使うのやめればいいのよ。そうしたら、バイトだってしなくてすむんだから」
「母さん、それは言い過ぎだよ。今の子は携帯電話を持つのが当たり前なんだから、やめたりしたら仲間はずれにされるかもしれないだろ」
「それは選んだ友達が悪いのよ。人間が出来ていれば、携帯電話なんか持たなくったって仲間はずれにしたりしないわ」
母は全く父の言葉を受け入れようとしない。自分の意志を押し通そうとするばかり。私の怒りはますます増していった。
「携帯電話ばっかりイジってロクに勉強をしないから、目がクサったのよ。だから人の善し悪しも見抜けないのよ」
「母さん、いくら医者が大丈夫と言っても、春乃はまだ本調子じゃないんだ。もう少し優しい言葉をかけてあげたほうがいい」
「日頃の行いが悪い人間にかける優しい言葉なんかないよ」
「何も今説教しなくったっていいだろ。もっと体が元気な時に言えばいいじゃないか。かえってショックで立ち直れなくなる」
「ただでさえ勉強が出来ないんだ。今言わないと忘れるだろ」
「母さん!」
「今日はずいぶん刃向かって来るね。フン!でも私は、間違った事を言っていないよ。間違っているのはアンタだ。あとで覚えと…」
「もういいっ!」
私はガバッと起きあがると、携帯電話をわしづかみ、ベッドヘッドのすぐ上に取り付けられた棚に置いてあったバッグへ放りこんだ。きちんとたたんであったジャージやTシャツをおおざっぱに詰め込めば、床に置いてあった靴を一緒に持って病室を飛び出した。裸足だった。
「春乃、どこへ行くんだ!」
父が後から追っかけてきた。私は白くて冷たい床を全力で駆け抜けた。
父が身を案じてくれるのは、すごく嬉しかった。でも、捕まりたくなかった。捕まれば父が母の代わりに謝り、母を許すよう説得するだろう。母は少しも謝らないのに…
(そんなのイヤ、許せない。絶対許せない!)