恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
嵐の前の静けさ
森田は、春乃がお守りを持って行くのを、隣の下駄箱からこっそり見ていた。少し嬉しそうな様子に、森田も嬉しくなった。
(これで少しは時間が稼げそうかな。あとはその間に、今川さんに接触して、なんとしても携帯電話を取り上げなきゃ!)
森田は再び心に闘志を燃やし、教室へ向かった。
森田とは反対に、私は一日中、ナーバスな気分で過ごした。とりあえず何も起きず授業を終え下校したし、お守りももらったが、いつまた一昨日のような事が起こるかもしれないと思うと、気が気じゃなかった。だから、自分の携帯電話だけじゃなく、クラスメイトの携帯電話がメールを受信してもビクビクしていた。みんなには変な目で見られた。
(私もこんな生活したくないんだよ。わかってよ!)
授業が終わり学校を出ると、グラウンドで元気に部活動している野球部にぶつけるよう、心の中で叫んだ。卑怯なのはわかっている。でも『悪霊に取り憑かれて、こんな風になったの』と真実を告白して理解を示してくれればいいが、馬鹿にされたらもっと傷つく。だから言えなかった。心の中で誰かに向けてこっそりと叫ぶしかなかった。
(とにかく。ここでこうしていても何も解決しない。朝組んだ予定通り、とっとと携帯電話の機種変更をしに行こう)
私は大きなため息をつくと、ノロノロと歩き出した。今イチやる気が出ない。
すると、なんだか頭がかゆくなり、ボリボリと左手の指先でかいた。私はハッとした。
(そう言えば、昨日お風呂に入っていない。髪さえ洗っていない。今晩は香に会うんだ。キレイにならないと嫌われるかもしれない。機種変更する前にお風呂に入らなきゃ!)
そして思い浮かんだのは、バス停のすぐ側にある銭湯。
(行くなら、あそこしかない。だってシャワーじゃ物足りないし、近くでお風呂に入れる場所はあの銭湯しか知らない。よし、行こう。迷っているヒマはない。…で、携帯電話の機種変更は、銭湯に行った後街中へ行って、ワイシャツをクリーニングに出す前に手続きしよう。機種変更をしてもらっている間にクリーニング屋と、着替えの買い物をすませられるから)
なかなか良い案に、顔がニンマリする。
(これで少しは時間が稼げそうかな。あとはその間に、今川さんに接触して、なんとしても携帯電話を取り上げなきゃ!)
森田は再び心に闘志を燃やし、教室へ向かった。
森田とは反対に、私は一日中、ナーバスな気分で過ごした。とりあえず何も起きず授業を終え下校したし、お守りももらったが、いつまた一昨日のような事が起こるかもしれないと思うと、気が気じゃなかった。だから、自分の携帯電話だけじゃなく、クラスメイトの携帯電話がメールを受信してもビクビクしていた。みんなには変な目で見られた。
(私もこんな生活したくないんだよ。わかってよ!)
授業が終わり学校を出ると、グラウンドで元気に部活動している野球部にぶつけるよう、心の中で叫んだ。卑怯なのはわかっている。でも『悪霊に取り憑かれて、こんな風になったの』と真実を告白して理解を示してくれればいいが、馬鹿にされたらもっと傷つく。だから言えなかった。心の中で誰かに向けてこっそりと叫ぶしかなかった。
(とにかく。ここでこうしていても何も解決しない。朝組んだ予定通り、とっとと携帯電話の機種変更をしに行こう)
私は大きなため息をつくと、ノロノロと歩き出した。今イチやる気が出ない。
すると、なんだか頭がかゆくなり、ボリボリと左手の指先でかいた。私はハッとした。
(そう言えば、昨日お風呂に入っていない。髪さえ洗っていない。今晩は香に会うんだ。キレイにならないと嫌われるかもしれない。機種変更する前にお風呂に入らなきゃ!)
そして思い浮かんだのは、バス停のすぐ側にある銭湯。
(行くなら、あそこしかない。だってシャワーじゃ物足りないし、近くでお風呂に入れる場所はあの銭湯しか知らない。よし、行こう。迷っているヒマはない。…で、携帯電話の機種変更は、銭湯に行った後街中へ行って、ワイシャツをクリーニングに出す前に手続きしよう。機種変更をしてもらっている間にクリーニング屋と、着替えの買い物をすませられるから)
なかなか良い案に、顔がニンマリする。