恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
「いやー今日は本当にお疲れ様。みんなよくがんばってくれたな」
店長はルンルンした様子で私達全員をぐるりと見回した。
「おかげで、閉店までまだ三十分もあるが、店じまいする」
「えっ?もう閉店ですか?」
短大に通うアルバイトの羽田が、驚いて聞いた。すると店長はますますニヤニヤした。見ようによっては気持ち悪い。
「そう、閉店。…実はな、さっき相葉が接客した客が残りの商品を全部買っていってくれてな。完売したんだ!」
「キャーッ、すっごーい!」
私とパートのおばちゃんは手に洗剤がついていたが、握手して飛び上がった。ここで働き初めて一年以上たつが、こんな事は初めてだった。『今日はよく売れたなぁ』と思った日でも、二十個くらいは必ず残っていたから。
初めての嬉しい展開に、店長もご満悦だった。
「よーし。じゃ、さっさと精算をすませてメシでも食いに行くか?今日は俺のおごりだぞ!」
「えっ!いいんですか?」
「おう、みんながんばってくれたからな」
しかしみんな反応は今イチだった。私やパートのおばちゃん、アルバイトの羽田と相葉は気まずそうに顔を見合わせた。
「どうした?メシ、食いたくないのか?」
「あのー、私、明日の午前早くに主人の母が来るんです。もう帰って寝ないと、体が持ちません」
と、パートのおばちゃんは申し訳なさそうに言った。
「私は明日までに提出しなければならないレポートがあるんです。提出物にはウルサイ教授なので、出さないと単位がもらえません。卒業できなくなっちゃいます!」
と、短大に通うアルバイトの羽田は、必死に訴えた。
「私はこれから彼氏とデートなんです。彼はIT企業の社長で、すっごく忙しくて一週間ぶりに会うんです。だから、今回はゴメンナサイ。彼からのアポイントメントを優先させて下さーい」
と、相葉は言うと『ウフフ』と幸せそうに笑い、全員の顔を上目遣いに見た。全員少しウンザリ気味に『そりゃよかったね』と言った。
店長はルンルンした様子で私達全員をぐるりと見回した。
「おかげで、閉店までまだ三十分もあるが、店じまいする」
「えっ?もう閉店ですか?」
短大に通うアルバイトの羽田が、驚いて聞いた。すると店長はますますニヤニヤした。見ようによっては気持ち悪い。
「そう、閉店。…実はな、さっき相葉が接客した客が残りの商品を全部買っていってくれてな。完売したんだ!」
「キャーッ、すっごーい!」
私とパートのおばちゃんは手に洗剤がついていたが、握手して飛び上がった。ここで働き初めて一年以上たつが、こんな事は初めてだった。『今日はよく売れたなぁ』と思った日でも、二十個くらいは必ず残っていたから。
初めての嬉しい展開に、店長もご満悦だった。
「よーし。じゃ、さっさと精算をすませてメシでも食いに行くか?今日は俺のおごりだぞ!」
「えっ!いいんですか?」
「おう、みんながんばってくれたからな」
しかしみんな反応は今イチだった。私やパートのおばちゃん、アルバイトの羽田と相葉は気まずそうに顔を見合わせた。
「どうした?メシ、食いたくないのか?」
「あのー、私、明日の午前早くに主人の母が来るんです。もう帰って寝ないと、体が持ちません」
と、パートのおばちゃんは申し訳なさそうに言った。
「私は明日までに提出しなければならないレポートがあるんです。提出物にはウルサイ教授なので、出さないと単位がもらえません。卒業できなくなっちゃいます!」
と、短大に通うアルバイトの羽田は、必死に訴えた。
「私はこれから彼氏とデートなんです。彼はIT企業の社長で、すっごく忙しくて一週間ぶりに会うんです。だから、今回はゴメンナサイ。彼からのアポイントメントを優先させて下さーい」
と、相葉は言うと『ウフフ』と幸せそうに笑い、全員の顔を上目遣いに見た。全員少しウンザリ気味に『そりゃよかったね』と言った。