恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
『はぁ』と大きなため息をつくと、ソファーに寝転がった。疲れが頭の天辺から足の先までビッチリたまっている。あまりの疲労感に、寝ても朝までに取れるかどうか心配になった。
しかし目をつぶっても全然眠くならなかった。体はクタクタに疲れているのに、頭はすごく冴えていた。いや、香や涼子、茜の今後を考えると、不安でとても寝れなかった。私は悪い頭をフル稼働させ、これからどうすればいいか考えた。
五分間ほど考えた時、あるアイデアを決行する決意をしてガバッと起きた。頭の片隅にずっとあったアイデアだが、やる気が起きなかった。だが、やっとやる気になった。
(携帯電話を、壊そう)
今まで毎日使っていたから、かなり愛着が沸いている。壊すのは身を引きちぎられるほど辛かったが、やるしかなかった。悪霊が取り憑くことを阻止するために私が出来る事は、これくらいしかなかった。
カラオケボックスを出てみんなと分かれる時、携帯電話に記憶させているメールアドレスや電話番号を削除すれば、メールが届いても電話がかかってきても、誰から来たのかわからないから怖くて、電話に出ないしメールを開かないだろうと思った。そうすればみんなが私を『冷たいヤツ』と思って、だんだん連絡を取らないようになるから、私と接触しなくなるに違いない。私と接触しなければ、私に取り憑いている悪霊も他に取り憑きようがないので、被害が拡大しないだろうと考えた。
だが冷静になって考えてみると、被害は拡大しないが、携帯電話から悪霊を追い払った事にはならない。まだ取り憑いている。それにこれまでの流れを見ると、悪霊が取り憑く範囲は時間と共にどんどん広くなっている。つまり、今はメールを開けば取り憑かれていたが、今後は開かなくとも携帯電話に触っただけで取り憑かれるかもしれない。
そうなれば最悪だ。私が落とした携帯電話を善意で拾ってくれたのに、悪霊に取り憑かれてしまう。良い事をしたのに、痛い思いをしなくてはいけない。こんなヒドい話し、あってはならない。
これ以上犠牲者を増やさないためにも、携帯電話を壊すしかなかった。私は鞄から携帯電話を取り出すとテーブルの上に置き、続いて歴史のノートとペンケースも取り出した。ノートの裏表紙を開けば、ペンケースからシャープペンを取り出し、携帯電話を手に取った。
しかし目をつぶっても全然眠くならなかった。体はクタクタに疲れているのに、頭はすごく冴えていた。いや、香や涼子、茜の今後を考えると、不安でとても寝れなかった。私は悪い頭をフル稼働させ、これからどうすればいいか考えた。
五分間ほど考えた時、あるアイデアを決行する決意をしてガバッと起きた。頭の片隅にずっとあったアイデアだが、やる気が起きなかった。だが、やっとやる気になった。
(携帯電話を、壊そう)
今まで毎日使っていたから、かなり愛着が沸いている。壊すのは身を引きちぎられるほど辛かったが、やるしかなかった。悪霊が取り憑くことを阻止するために私が出来る事は、これくらいしかなかった。
カラオケボックスを出てみんなと分かれる時、携帯電話に記憶させているメールアドレスや電話番号を削除すれば、メールが届いても電話がかかってきても、誰から来たのかわからないから怖くて、電話に出ないしメールを開かないだろうと思った。そうすればみんなが私を『冷たいヤツ』と思って、だんだん連絡を取らないようになるから、私と接触しなくなるに違いない。私と接触しなければ、私に取り憑いている悪霊も他に取り憑きようがないので、被害が拡大しないだろうと考えた。
だが冷静になって考えてみると、被害は拡大しないが、携帯電話から悪霊を追い払った事にはならない。まだ取り憑いている。それにこれまでの流れを見ると、悪霊が取り憑く範囲は時間と共にどんどん広くなっている。つまり、今はメールを開けば取り憑かれていたが、今後は開かなくとも携帯電話に触っただけで取り憑かれるかもしれない。
そうなれば最悪だ。私が落とした携帯電話を善意で拾ってくれたのに、悪霊に取り憑かれてしまう。良い事をしたのに、痛い思いをしなくてはいけない。こんなヒドい話し、あってはならない。
これ以上犠牲者を増やさないためにも、携帯電話を壊すしかなかった。私は鞄から携帯電話を取り出すとテーブルの上に置き、続いて歴史のノートとペンケースも取り出した。ノートの裏表紙を開けば、ペンケースからシャープペンを取り出し、携帯電話を手に取った。