恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
コンビニを出ると、目の前を走る沢山の車を無言で見つめた。大きな通りの上、午前七時三十分と言う時間帯もあり、運転している人はキチンとした身なりの人が多かった。みんな会社へ向かっていくのだろう、真剣な顔で運転していた。そして、元気そうだった。悩みなんて無さそうに思えた。
(なんでアタシはこんなに悩んでいるんだろう。数日前はあんなふうに幸せだったのに。母さんとモメていたけど、幸せだった…)
ふに目の前が涙で曇りだした。すごく悲しくて苦しかった。巻き込んでしまった香達の事を思うと申し訳なくて、自分の存在を否定したくなった。
色んな思いが体の中で渦を巻いた。グルグルグルグル、巻いた。いっぱいになると目から溢れ、頬を伝って流れ落ちた。
すると突然、そばで聞き慣れた携帯電話の着信メロディーが鳴った。
「・・・!」
驚きつつ、涙をふきあたりを見回すと、そばには誰もいなかった。店に出入りする人はいるが私の前を足早に通り過ていく。携帯電話をズボンやスカートのポケット、もしくは鞄から取り出している人はいない。駐車場に車を止めた人も、すでに携帯電話で話しているか、書類を見ている人だけだった。
ものすごく嫌な予感がした。緊張のため呼吸が荒くなり、額や脇の下に汗が噴き出した。しかし着信メロディーは止まらない。ずっと流れている。そろそろ1コーラス目の演奏が終わりそうだ。
―私がダウンロードした、電話の呼び出しように設定した、大好きなアーティストの最新曲が―
私は履いたショートパンツの左ポケットへ向かってゆっくり手を伸ばす。携帯電話は、いつも左側のポケットに入れているから。
知らぬ間に顔が引きつった。負けないで、指先、第一関節、第2関節と、合わさった生地の間を縫うよう入れた。しかしまだ何も入っていない。大音量の着信メロディーだけが聞こえた。
とたん、コン!と堅いものに指先が当たった。意を決しつかむと、物体の形はCDのケースくらいの厚さで、長方形をしていた。ますます嫌な予感がした。
(なんでアタシはこんなに悩んでいるんだろう。数日前はあんなふうに幸せだったのに。母さんとモメていたけど、幸せだった…)
ふに目の前が涙で曇りだした。すごく悲しくて苦しかった。巻き込んでしまった香達の事を思うと申し訳なくて、自分の存在を否定したくなった。
色んな思いが体の中で渦を巻いた。グルグルグルグル、巻いた。いっぱいになると目から溢れ、頬を伝って流れ落ちた。
すると突然、そばで聞き慣れた携帯電話の着信メロディーが鳴った。
「・・・!」
驚きつつ、涙をふきあたりを見回すと、そばには誰もいなかった。店に出入りする人はいるが私の前を足早に通り過ていく。携帯電話をズボンやスカートのポケット、もしくは鞄から取り出している人はいない。駐車場に車を止めた人も、すでに携帯電話で話しているか、書類を見ている人だけだった。
ものすごく嫌な予感がした。緊張のため呼吸が荒くなり、額や脇の下に汗が噴き出した。しかし着信メロディーは止まらない。ずっと流れている。そろそろ1コーラス目の演奏が終わりそうだ。
―私がダウンロードした、電話の呼び出しように設定した、大好きなアーティストの最新曲が―
私は履いたショートパンツの左ポケットへ向かってゆっくり手を伸ばす。携帯電話は、いつも左側のポケットに入れているから。
知らぬ間に顔が引きつった。負けないで、指先、第一関節、第2関節と、合わさった生地の間を縫うよう入れた。しかしまだ何も入っていない。大音量の着信メロディーだけが聞こえた。
とたん、コン!と堅いものに指先が当たった。意を決しつかむと、物体の形はCDのケースくらいの厚さで、長方形をしていた。ますます嫌な予感がした。