恐怖へいざなうメールはいかが~from.ミチカ
香は黙りこんだ。ウンともスンとも言わない。私はだんだん不安になった。
「香?ねえ、聞いている?」
『…私、バチがあたったんだと思う』
「バチ?」
『了解も得ずに人の携帯電話をイジったから、バチがあたったんだと思う』
「・・・」
『実はね、昨日の夜、ハルちゃんと分かれた後タクシーで家へ帰ったんだけど、その帰り道…道路のあちらこちらに人の形をした黒い影が沢山見えたの。顔も、服も何を来ているかもわからない。ただ、人の形をした影が見えただけなの。でもすっごく怖くて、タクシーを降りたら、ダッシュして家の中へ駆け込もうとしたの』
【黒い影】と聞いて、私は頭からサーッと血の気が引いた。
『でもね、鍵は鞄の中に入っていたし、体が震えてすぐ出せなかったの。ドアの前で立ち止まって探さなければいけなかったの。そうしたら…男性の霊が私を襲ってきたの!』
「・・・!」
『男の霊は私の手をつかむと「俺を助けて、俺を助けて!歩道橋の上から飛び込み自殺をしたら、車に頭や手足をひかれてグチャグチャになって、痛くて眠れない。アンタの体をくれ。アンタの体は住みやすそうだ!」って言ったの。濁った黄色い目で私の体をジロジロ見ながら。すっごい、怖かった。気持ち悪かった!なんとか鍵を見つけてドアを開け、中へ逃げ込んだら追ってこなかったけど、生きた心地がしなかった。だから昨日の夜は一睡もできなかった。寝たら部屋へ忍び込んできて体を取られそうな気がしたから。殺されそうな気がしたから!』
話し終えると、香は子供のようにワンワン泣いた。よほど怖かったに違いない。でも昨晩私にひどい事をしたから親に言えず、一人悶々と考え嵐が過ぎ去るのを待っていたのだろう。
同じ思いをしてきた私は香の気持ちが痛いほどわかった。そして、原因を作った自分に腹が立った。このままではいけないと思った。
(私より香のほうが早く力の強い悪霊と会った。このペースでいけばアッと言う間に、最悪の事態へたどり着いてしまうだろう。何とかしなければ…)
「香?ねえ、聞いている?」
『…私、バチがあたったんだと思う』
「バチ?」
『了解も得ずに人の携帯電話をイジったから、バチがあたったんだと思う』
「・・・」
『実はね、昨日の夜、ハルちゃんと分かれた後タクシーで家へ帰ったんだけど、その帰り道…道路のあちらこちらに人の形をした黒い影が沢山見えたの。顔も、服も何を来ているかもわからない。ただ、人の形をした影が見えただけなの。でもすっごく怖くて、タクシーを降りたら、ダッシュして家の中へ駆け込もうとしたの』
【黒い影】と聞いて、私は頭からサーッと血の気が引いた。
『でもね、鍵は鞄の中に入っていたし、体が震えてすぐ出せなかったの。ドアの前で立ち止まって探さなければいけなかったの。そうしたら…男性の霊が私を襲ってきたの!』
「・・・!」
『男の霊は私の手をつかむと「俺を助けて、俺を助けて!歩道橋の上から飛び込み自殺をしたら、車に頭や手足をひかれてグチャグチャになって、痛くて眠れない。アンタの体をくれ。アンタの体は住みやすそうだ!」って言ったの。濁った黄色い目で私の体をジロジロ見ながら。すっごい、怖かった。気持ち悪かった!なんとか鍵を見つけてドアを開け、中へ逃げ込んだら追ってこなかったけど、生きた心地がしなかった。だから昨日の夜は一睡もできなかった。寝たら部屋へ忍び込んできて体を取られそうな気がしたから。殺されそうな気がしたから!』
話し終えると、香は子供のようにワンワン泣いた。よほど怖かったに違いない。でも昨晩私にひどい事をしたから親に言えず、一人悶々と考え嵐が過ぎ去るのを待っていたのだろう。
同じ思いをしてきた私は香の気持ちが痛いほどわかった。そして、原因を作った自分に腹が立った。このままではいけないと思った。
(私より香のほうが早く力の強い悪霊と会った。このペースでいけばアッと言う間に、最悪の事態へたどり着いてしまうだろう。何とかしなければ…)