男子校の女子高生!!!!下
だけど海斗は。

悲しそうな表情。

色がない目。

今にも泣きそうな、震える肩。

どうしたのって、何度も聞けなかった。

「どーした、春」

「…陸」

教室はガラガラだった。

みんなもう帰っていた。

「どした?」

「陸、帰ったのかと思ってたよ」

私と海斗以外、友達で唯一私の性別を知ってる陸。

「忘れもんしたからさ」

「陸ったら、なに忘れたの?」

私が苦笑すると陸が私を真っ直ぐ見た。

「忘れもん、お前だよ」
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