マンガみたいな事が起きました。

「おぉ、渉くん!!」


渉くん？


振り返ってそこに立っている人を見た。



「え、仙崎先生!?」



担任がいた。



「舞、聞いてくれ。
渉くんのお父さんと僕は長年の付き合いでね。いつか二人の子供を結婚させようって」


「は？」


「本当はね、舞が16歳の誕生日に挙式するはずだったんだけど……もしも、舞に好きな人ができたらこの話はなかったことにするつもりだったの」


「お母さん…」


つ、つまり…

あたしには彼氏なんかいなくて
もちろん好きな人すらいないわけで。


ってことは……



「結婚する……の？」



お父さんとお母さんの返事はなく、
代わりに先生が頷いた。