マンガみたいな事が起きました。



渉はあたしの元へ来て、


「あーん」


と言った。


「えっ?」


「口開けろ」


命令口調を気にしながらも、
仕方なく口を開ける。



渉が菜箸で玉ねぎをあたしの口に入れた。



甘い味が口の中に広がる。



「美味しい……」



思わず感想を言うと、


さっきまでの鋭い眼孔が優しくなった。




不覚にもキュンとしてしまった。




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