ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「それで、結婚して約束を交わした者の中に、該当者は・・・」
「・・・一人だけいらっしゃいます」
言いづらそうな様子のレヴァノンに、痺れを切らしたオズヴェルドは問いかけた。
「誰だ、それは?」
「・・・クレア王妃様、です」
「なにっ!?」
「おそらく、クリストフ国王様の鏡を使ったのでしょう」
「いや、それは・・・」
しかし、そう考えると国王の心が乱れ、体調不良なのも納得がいく。
「そこまでのリスクを犯す意味があるのか・・・?」
仮にクレア王妃がユノを召喚したとして、なんの得があるんだ?
「推測ですが」
「なんだ? 言ってみろ」
「・・・ユノ様には、他の人にはない特別な何かがあって、それが王位継承権に関わるのではないでしょうか?」
「特別な何かって・・・」
「私にはわかりません。しかし、その可能性がある今、ユノ様を近くに置いておくのは危険だと思います」