ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
オズと、一緒にいるのは、難しいーーー?
「混乱させるようなこと言ってすまない。だけど、今の君の治療にオズは携われないんだ・・・。僕とレヴァノンで対処する」
嫌だ、と思っても、もう口も開けられない。
「今は眠ってて」
ハジの冷たい手のひらがそっと瞼に乗せられて、促されるままゆのは目を閉じた。
ーーーコンコンッ
「どうぞ、と僕が言うのもおかしいかな」
扉の前にはレヴァノンがいた。
「ハジ殿。ユノ様は・・・」
「今は眠ってる。どうやら、クレア王妃様に軽い呪いをかけられたらしい」
「呪いって、一体どうやって・・・?」
「おそらくテト様の小型の鏡を使って、間接的に仕掛けてきたんでしょう」
ほら、とテトがゆのの指を持ち上げてみせた。
簡易的な紋章が浮かび上がっていると。
この程度なら体調が悪くなるぐらいで済むのだが、異世界からきたゆのへの効力は未知数だ。
「僕はオズほど力があるわけじゃない。それでも僕が治療するよ」
「オズヴェルド様は・・・」
「わかってる。全部オズに聞いたからね」
「そうですか・・・」
「大丈夫、僕に任せて」
テトは自分の小型の鏡を出すと、治療を始めた。