ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
複雑に交差する想い
☆時計を探して
んーーー?
そっと目を開けると、カーテン越しに太陽の眩しさを感じた。
「お目覚めですか!? ユノ様!」
この声は・・・
「ミー・・・シャッ」
どのくらい寝ていたのだろう? 喉がカラカラで、声がうまく出せなかった。
「あまりご無理なさらないで・・・。こちらにお水がございます。今レヴァノン様を呼んでまいります」
ハジに眠らされてから記憶がないーーー
ハッとなって右手の人差し指を見ると、黒い模様は消えていた。
よかった、とゆのは安堵する。あの時のような身体の倦怠感はない。ただ心の方は、そう簡単にはいかないようだ。
ミーシャに示された水を飲むと、喉の乾きが癒えた。
ーーーコンコンッ
「ユノ様、ご気分はいかがですか?」
そっとレヴァノンが部屋に入ってきた。
「大丈夫、ありがとう」
「昨夜までハジ殿が付きっきりでいらっしゃったのですが、今朝から外せない仕事があるそうで・・・」
「ハジが?」
「呪いの治療もその後のお世話もハジ殿がしておりました」
ゆのは信じられなかった。それと同時に嬉しさも込み上げる。
今すぐ感謝の意を伝えたかったが、仕事ならば仕方がない。