ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

「あの・・・この間の指の模様、あれはなんだったの?」

「あれはね、間接的な軽い呪いで、他者の鏡を利用してかけられたものだと思うんだ」

「他者の、鏡・・・?」

「そう。きっとクレア王妃様がテト様の鏡を媒体として呪いをかけたんだね」

「クレア王妃様が!?」

「君は異世界から来ているから、軽い呪いでもどうなるかわからなかった。大事にならなくてよかったよ」


やっぱり、この世界に私を召喚したのは、クレア王妃様なのーーー?


「あの呪いは証拠が残らないから、犯人を特定できないけどね。僕とオズはそう考えてる」


そうか。オズもこのこと、知ってたんだ。


「オズは・・・元気?」

「うーん・・・大変そうだった」

「えっ」

「でも今までもあったことだし、大丈夫だよ」


ハジがそう言うと、ゆのは納得していない心を頭が納得させようとしているようだった。

本当は軽い呪いの話をオズには報告してないが・・・。レヴァノンもオルフェも黙っている。

もしそれを告げてしまえば、オズヴェルドがゆのと離れるのはやめると言い出しかねないと考えたからだ。

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