ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
静かに隠し扉が閉まり、暗闇の中にゆのは残された。
壁に手をついて、足元を探りながら、ゆっくりゆっくり歩みを進めていく。
階段だ!
下へと続く階段があり、ゆのの足音だけが響く。
コツ、コツ、コツーーー
20段ほど降りると、右に曲がり、左に曲がり、右に曲がり・・・
何度か繰り返していると、キラキラ光るものが見えた。
なんだか見覚えのあるような・・・。
暗闇の中で光るものといえば・・・
「鏡だ!」
急いで近寄りたい気持ちを抑えて、慎重に、しかし足早にゆのは近付いた。
「綺麗・・・」
触れてみたいが、また手が出てくるかもしれないと思うと触れない。
それに、これは誰の鏡なのだろう・・・?
「そこにいるのは誰だ!」