ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

「ひゃあっ」


誰もいないと思っていた暗闇の中での大きな声。


カチッーーー


突然部屋が明るくなり、眩しくて目が開けられない。

電気あったんだ・・・って、そんなことじゃなくて!

必死に目を開けて声の主を見ようとする。


「何故お前がここにいる・・・?」


視界が燃えるような赤を捉えた。


「オズ!」


久しぶりに会うオズヴェルドは険しい顔をしており、再会を喜んではいないようだった。


「オズ・・・元気だった?」

「そんなことはどうでもいい。何故ここにいるか聞いているんだ!」


初めて聞くオズヴェルドの怒鳴り声に、ゆのは怖じ気づいてしまった。


「・・・どうしてそんなに怒ってるの? ・・・久しぶりに会えて、オズは嬉しくないの・・・?」


「怪しまれたくないなら答えるんだ! 何故俺の鏡の部屋いるんだ!」


え・・・?
オズの鏡の部屋・・・?

ということは、この大きな煌めく等身大の鏡は、オズヴェルドの物だということになる。

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