ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「こうなったのは、オズ兄様のせいなんですか・・・?」
「・・・・・・」
沈黙が肯定を示していた。オズヴェルドは、ゆのを強く疑ってしまったことが一番の要因だとわかっていたからだ。
「・・・もう我慢できません」
テトはブルーの瞳を強く光らせながらオズヴェルドと向かい合った。
「オズ兄様・・・ユノを私にください」
「なに!?」
「オズ兄様はユノを大切にできていない。私ならユノをこんな目にあわせたりしない」
「・・・・・・」
「ユノをオズ兄様の近くに居させたくない・・・。ユノを連れていきます。それから・・・ユノの時計も渡してください」
そう言われてオズヴェルドは思い出した。そういえば、テトがユノをそそのかしたのではなかったか、と。しかし、それを責める資格はない。
強いブルーの瞳は揺らがない。先に耐えられなくなったのはオズヴェルドだった。
「・・・わかった」
オズヴェルドは自分のせいでゆのが目を覚まさないことや、一緒にいたくても自分とは居られないことから、自分よりテトといたほうが幸せになれるのではと思ったのだった。