ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

はじめは、オズヴェルドの初めての側室だから気になって。

しかも漆黒の髪と瞳を持つ異世界の娘。

手にキスをしたら過剰に嫌がるから、そこも気になった。



次に会ったときには、気の強い一面を見て、オズがなぜユノを気に入っているのかわからなかった。

オズに好意を寄せるカナリアは、オズに近付く女性を見事に遠ざけていた。

それなのにそれに気が付かないオズは、そんなカナリアをユノのダンス講師にしたりして、とても面白くて・・・

僕を拒む漆黒の瞳が印象的で、オズとテト様に加えて僕の名前も加わったらもっと面白くなりそうだと思って・・・

一瞬口付けた頬がやわらかくて・・・。



パーティーでは、オズから無理矢理奪ってユノと踊った。

練習のときも思っていたが、本当にダンスが上手かった。あの日のドレスも似合っていた・・・。


ユノが呪いをかけられたときには、本当に心配して付きっきりで看病した。

お礼と称して庭で紅茶とお菓子を楽しんで。

ユノの秘密の想いも少し聞くことができて。

誰にも話していなかった、甘いものが好きだということを打ち明けて。

またお茶しようと、なぜか誘って・・・。




僕は人に必要以上に関わったりしない。ただなんとなく、面白そうなものは掻き回して。それ以外は見向きもしないはずだったのに・・・。



いつの間に僕は、こんなにユノを気にするようになったんだーーー?
< 161 / 208 >

この作品をシェア

pagetop