ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「・・・責めたりしないから。自分の気持ちに正直になれ」
オズヴェルドの声に後押しされてハジは自覚した。
ああ、僕はユノが好きだったんだ、とーーー
「・・・オズ。どうやらそうらしい」
その一言で全てが通じた。
「そうか・・・」
「だからこそ、やっぱりテト様にユノを託したこと、許せない」
「・・・・・・」
「オズの側室なのに好きになるなんて、僕はバカだな・・・」
本当の意味での側室ではないと言わなかった。もし言ってしまえば、ハジに奪われるかもしれない・・・。それならば、まだ、テトの方が・・・
「まぁ、僕の気持ちなんて今はどうでもいい。早くユノを取り返しに行かないと」
「取り返しに・・・?」
「当たり前でしょ。オズが行かないなら、僕だけで行くよ?」
ハジは王族ではないから、テトの部屋にまで行くのはもちろん、部屋の中に入ることはそうやすやすとできることではない。
それでも自分だけで行くと言ったハジの水色の瞳は真っ直ぐだった。
「・・・わかった」
とりあえずテトの部屋までハジを連れていくことにしよう。そう思ったオズヴェルドであった。