ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

「んっ・・・」

「ユノ!」


ゆのが少し動いた。時計の針が反時計回りにゆっくり動き出す。


「すごいな・・・」

「上手くいきそうだな・・・」


自信がなかったのか、ほっとした様子のオズヴェルド。

ゆっくり、ゆっくり針はまわり、3周目で輝き出した。

眩しすぎるその光に、思わず目を覆う。


「んー・・・?」


ゆのの声に手をどけると、ゆのが寝ぼけ眼のまま目をこすっていた。


「ユノ!」


オズヴェルドはゆのを力強く抱きしめた。


「えっ? えっと・・・なにがどうやって・・・?」


抱きしめられたゆのは、現状が把握できていないようだ。まばたきしながら思案している様子が窺えた。


「ユノ。すまない、疑って悪かった」

「ちょ、待っ・・・くるしいっ」


あまりにも力強く抱きしめられたため、息も絶えだえにゆのは訴えた。


「おい、オズ」


ハジに肩を掴まれて、どうやら我に返ったようだ。


「すまない、つい・・・」


腕の力をゆるめても、離しはしなかった。


「私・・・あ!」


思い出したのかゆのの顔は青ざめた。


「あの、私・・・鏡を・・・」

「気にするな」

「だって、でも・・・」

「俺が疑ったのが悪い」


しまいには泣き出してゆのは暴れた。


「ごめんなさいっ、こんなつもりじゃなかったの・・・!」


動きを封じながらオズは微笑んだ。


「気にしてない。ユノと仲直りできるなら、そのことについてとやかく言うつもりはない」

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