ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
駆け寄ってレヴァノンの肩に手をかけた。
「おい、何も今ここでそんな話」
「オズヴェルド様」
小さな、しかし鋭い声で制される。
「ユノ様を解放するにはオズヴェルド様のお立場が重要となってきます。罪に問われて裁判となった場合、しっかりとした身分や後ろ盾が必要なのはお分かりでしょう?」
「・・・・・・」
そう言われては言い返せない。
「クレア王妃様、いかがでしょう?」
「オズヴェルドの側室が捕えられておる。そんな怪しい女を側室として迎えるような男に、王位継承権第1位を与えよ、と?」
「貴女様がそうご判断されただけで、実際に何か罪が確定したわけではございません。第一王子のアレン様がお亡くなりになられた今、第二王子のオズヴェルド様に王位継承権第1位をお与えになるのはなんの問題もないでしょう?」
テトを王位につけるために俺が邪魔なクレア王妃が、あっさり俺に王位継承権第1位を与えるとは思えない。
「・・・それならば、王位継承権第2位はテトとなるが?」
「それはもちろんでございます」
「・・・テト、お主の意見を聞こう」
急に話を振られたテトは少しばかり驚いていた。