ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

パッと見る限りは普通の部屋だ。

ベッド、机、イス、観葉植物・・・


「これはなんていう植物なのかな?」


1枚の葉をまじまじと見ると、生い茂る葉の向こうに黒い何かが見えた。


ーーーカメラだ!


黒いレンズがゆのを映し出した。


「監視カメラ・・・ってこと?」


動揺が隠せない。

こんなものがあるということは、他にも何かあるかもしれないーーー

ゆのは監視カメラのレンズを反対に向けると、机を調べだした。

しかし、シンプルなただの机に隠し場所などない。

イスも同様に調べたが何もなかった。

それじゃあ、ベッド?

身体をかがめてベッドの下を見る。


「何もな・・・」


いや、そんなはずはない。

疑心暗鬼になっているゆのは、ベッドの下に手を潜らせた。

絶対何かあるはず!


ーーーコツン


何かが手に当たった。

手の感触から、それがガムテープで固定されていることがわかる。


ーーービリビリッ

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