ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
クレア王妃様と交わした密約ーーー
それが果たされることはなかった。
だから邪魔してやろうと思ったのに・・・。
ゆのの時計を壊すことに失敗したカルディアは、自暴自棄になっていた。
クレア王妃様の密約も活かせない。あんな異世界の小娘ひとりの邪魔も出来ない。
オズヴェルド様の正室になれないのなら、刑罰から免れても同じこと。
罪を素直に認めるーーー。
でも、それだけじゃ許せない。
あの小娘も、道連れにしないと・・・。
「黙っていても、あの娘はクレア王妃様に目を付けられているから終わったも同然ね」
なんであんなにクレア王妃様からチェックされてるのかよくわからないけれど・・・。
あの小娘の時計を壊そうとしたときに、私をおかしくさせた変な歌。
それを私は証言してみせる。
「私だけ不幸になるなんて許せない。たかが異世界の小娘風情が、つけあがるんじゃないわよ」
カルディアはそう呟くと、立ち上がった。
もうそろそろ時間なのだ。
「さぁ、裁判が始まるわ!」