ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
☆揺れる心
軋む胸の痛みを無視しながら、オズヴェルドは以前よりも多くゆのといるようになった。
それに加えて、オズヴェルドは毎回プレゼントをゆのに贈った。
「オズ・・・気持ちは嬉しいけど、毎回毎回プレゼントはちょっと・・・」
お菓子や新しいワンピース、アクセサリー・・・
たくさんのもので溢れ返っている。
今回の贈り物は花束。
色とりどりの花が束ねられていて、とても綺麗。
だけどーーー
「迷惑だったか?」
チョコレート色の瞳が少し寂しそうに揺らぐ。
「そうじゃないの!そうじゃないんだけど・・・」
上手く言葉が見つからない。
「えっと・・・そうね、贈り物は大切な日にするものよ!」
「大切な、日・・・?」
「誕生日だとか、結婚記念日だとか」
こちらの世界でそんな風に祝うことがあるかどうかは、わからないけれど。
「なるほど。すまない、ユノに贈り物をするとなんだか安心するんだ・・・」
俺があげたものを食べたとき。
俺があげたものを身に着けたとき。
そのとき全てで見られるユノの笑顔を見ると、安心するーーー
それに、どうしようもなく嬉しくなる。
この気持ちがなんなのか、贈り物を続ければわかると思ったのだが・・・
女性から数多く言い寄られるオズヴェルドであったが、自分の気持ちには疎かった。