ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

ブルーの瞳が、白いシーツに広がる漆黒を捉えた。


「・・・ユノ」


そのままツカツカ歩いてベッドに近付くと、ユノの手をそっと握った。


「ミーシャ、といったね? 私を呼んでくれてありがとう。後は私に任せてくれ」

「はい」


テト様って、もしかしてーーー?
いや、オズヴェルド様の側室であられるけど、テト様よりもユノ様は年下よね?
妹を見る感覚なのよね、きっと。


「ユノ様が目が覚めたら、お教えするようにとオズヴェルド様に言われております」

「・・・わかった」


ミーシャは、頭を下げて部屋を出た。









「ユノ・・・ 」


オルフェからミーシャというメイドが私を呼んでいると聞いて戸惑ったが、ユノが絡んでいると知って来てよかった・・・。

それにしても、何故こんなに顔色が悪いんだ?

オズ兄様はどこにいらっしゃるのだろう?

こんなに具合が悪そうなのに、仕事でもしているのだろうか?

オズ兄様がユノは側室だからその程度の気持ちだとおっしゃるならば・・・

ーーー今すぐ私が貰い受けるのに。



久しぶりに見るユノは、顔色が悪くともとても美しい。

この間ゆのを泣かせてしまった罪悪感はあるが、傍にいたいという感情は止められない。



「んんっ・・・」

「ユノ?」


ピンク色の唇から漏れる、悩まし気な声ーーー

今すぐ唇を塞いでしまいたい衝動に駆られるが、ゆのはオズヴェルドの側室。

許される行為ではないーーー。

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