ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
ブルーの瞳が優しく見つめてくるーーー
「テト?」
気のせいだろうか?
最近よく遊びに来てくれる。いろんな話をしてくれて、いつも笑っていられるのだけれど・・・
「あのっ、手を・・・」
「ん?」
なんだか、ボディータッチが多いような・・・。
ゆのの右手は、大きなテトの左手に覆われている。テトの右手は漆黒の髪を梳いていて、動けない。
「ユノは可愛いね」
「っ!」
真っ赤になるゆのをテトは微笑ましく見ていた。
ーーーコンコンッ
ーーーガチャッ
急にノックの音が聞こえたかと思ったら、返事を待たずに誰かが入ってきた。
「ユノ」
この声は、オズ兄様だ!
まずい、と思ったけれど時すでに遅し。テトの右手も左手もゆのに触れたままだ。
「テト・・・これはどういうつもりだ?」
珍しく低い声で尋ねてくる。
言い訳できないーーー。
「あのっ、オズ! テトは私を心配して訪ねてくれたの!」
場の重い空気に耐えられなくなったらしいゆのはそう言った。
「ほら、私この間倒れちゃったし!元の世界に帰るまで、不安にならないようにって、きっと・・・あっ!」
なんとかこの場を修繕しようとしていたゆのは、うっかり口を滑らせてしまった。
「・・・元の世界に帰るまでって、どういう意味なの・・・?」
テトのブルーの瞳はオズヴェルドを貫いていた。