ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
テトの質問は、オズヴェルドとゆの両者の心を揺さぶった。
オズヴェルドはゆのを大切に想っていたが、そのことを告げれば元の世界に帰りにくくなってしまうだろう。しかし、ここでその気持ちを打ち明けなければ、テトはどうするのだろうか・・・?
オズといるとドキドキするけど、安心もする・・・。でも確かにオズは良心から私を保護しただけで、側室とはいえ男女の関係はない・・・。
黙りこくった2人を見て、男女の関係はないと悟ったテトは、これを好機と鋭い質問を重ねる。
「 異世界に帰るまで保護しつつ、一緒に帰る方法を探す。それなら別にオズ兄様の側室じゃなくとも・・・私の側室でもいいのではないですか?」
「え!?」
「なに!?」
「だってそうでしょう・・・? オズ兄様にはユノに気持ちがない」
テトの言葉に何故かショックを受けるゆの。
自分でも理由がわからない・・・。オズが私のことをなんとも思っていないなんて、前からわかりきったことだったのに・・・。
「この際だから、はっきり言います。私はユノに惹かれている! オズヴェルド兄様がユノのことをなんとも思っていないのなら、私がユノを守る!」
元の世界に帰るまでの間だとしても構わない・・・。こんなに女性に心が揺れたのは、初めてなんだ・・・。
「私だったら、ユノを側室なんかにしない。この気持ちは本物だから、正室として扱う・・・。オズ兄様、私にユノをください!」