ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
そのころ城の一室では、暗い部屋の中で、ブルーと黄色の瞳が交わっているところであった。
「本当ですか?」
「ああ。そなたが一番オズヴェルドに相応しいだろう」
その言葉にカルディアは歓喜で震えた。
「今度あるパーティーの最後に皆の前で発表しよう」
「ありがとうございますっ! クレア王妃様!」
「よい。その代わり、わかっておるな?」
「私にお任せください」
一礼して部屋を出たカルディア。
やった!
ついにやった!
私は王子妃になれる!
あとは、オズヴェルド様の側室のあの女をーーー
ま、それはパーティーのあとでいいわ。
オズヴェルド様の横に立てるよう、美しくしなければ。
クレア王妃に急に呼び出されて感じた不安は、どこへ行ってしまったのだろうか。
王子妃になるという長年の夢が目前となったカルディアは、踊るように駆けていった。