ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

そのころ城の一室では、暗い部屋の中で、ブルーと黄色の瞳が交わっているところであった。


「本当ですか?」

「ああ。そなたが一番オズヴェルドに相応しいだろう」


その言葉にカルディアは歓喜で震えた。


「今度あるパーティーの最後に皆の前で発表しよう」

「ありがとうございますっ! クレア王妃様!」

「よい。その代わり、わかっておるな?」

「私にお任せください」


一礼して部屋を出たカルディア。







やった!
ついにやった!
私は王子妃になれる!

あとは、オズヴェルド様の側室のあの女をーーー




ま、それはパーティーのあとでいいわ。

オズヴェルド様の横に立てるよう、美しくしなければ。



クレア王妃に急に呼び出されて感じた不安は、どこへ行ってしまったのだろうか。


王子妃になるという長年の夢が目前となったカルディアは、踊るように駆けていった。


< 75 / 208 >

この作品をシェア

pagetop