ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜

パーティー会場の中央まで来ると、レヴァノンはゆのから離れていった。

姿勢を正し、前を向くと、美しい女性が目に入る。


銀色ストレートの長い髪、ブルーの瞳ーーー


テトと同じだ!

ということは、あれがクレア王妃なの!?


ゆのの問いに答えるかのように、レヴァノンが遠くで頷くのが視界に入った。




姿勢を正し、すっと前を向き私が話す体制に入ると、自然と静まり返る会場内。


「お初にお目にかかります、クレア王妃様。私はユノ・ヒイラギと申します」


緊張で震える手を押さえ付けて、優雅にお辞儀をした。


「並びに会場にいらっしゃる貴族の方々、以後お見知りおきを・・・」


右、後ろ、左にそれぞれ礼をする。


クレア王妃と横並びの離れたところにオズヴェルドの姿を見つけたゆのは、そのままそこに行こうとした。


「待て。そなたに聞きたいことがある」


動き出したゆのを引き止めたのは、クレア王妃だった。

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