ここで歌うは君がため〜交わされた約束〜
「そなたは異世界の人間だな?」
ブルーの瞳が冷たくゆのを見据えた。
「・・・はい・・・」
「どのようにしてこの国に参ったのだ?」
誰もが気になっていたこと。しかし、オズヴェルドの側室のことなので、誰もが聞けなかったこと。
答えても、いいのだろうか・・・?
「お待ちください、お義母様」
「そなたには聞いておらぬ!」
助けに入ろうとしたオズヴェルドを、クレア王妃が一刀両断する。
そっとオズヴェルドに視線を移せば、心配そうにこちらを見つめていた。
「まぁまぁ、そんなに怒らなくてもいいじゃないですか、母様」
穏やかな声で止めに入ったのは、テトだった。
クレア王妃を中心にして、オズヴェルドとは反対に座っていた。
「今日は励ましと労いのパーティー・・・雰囲気を大切にしましょう?」
「それはならぬ。どこの馬の骨かもわからぬ娘を、王族の側室にはできぬ」
・・・それはごもっともだ。
「クレア王妃様。私は、何者かに導かれてこの世界に来ました」
「導かれて、だと?」
「はい。召喚された・・・といった方がわかりやすいでしょうか」
「誰にじゃ?」
「・・・それはまだわかっておりません」
「では聞くが、何故お前はオズヴェルドの側室となった?」