運命
「璃子、ありがとう。だけど・・


私は、英一郎さんが元気に生きておられるって


分かればそれでいいんだよ。


ソ連で生きておられたのなら・・もしかして、


ソ連に新しい家族を持っておられるかも知れない・・


それならば、それを邪魔するつもりはないんだよ。」



祖母は、全てを覚悟していた。


その上で、愛する人の生存をただただ願っていたのだった。


どこまでも一途で純粋な・・


無償の愛とはこの事を言うのだろう・・


私は、また涙が溢れ出しそうになるのを堪え、祖母の家を後にした。




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