運命
夏期講習も終わり、束の間の夏休みを迎える。


初めての海外旅行へ向け、パスポートを取得。


勿論、家のパパが、高校生男女が二人で旅行することに賛成するはずもなく、


陸と陸のママであり、私のパパと腹違いの兄弟という事になるエイミーさんにも家へ来て頂き、


全てを説明してもらった。


家のパパとエイミーさんが腹違いとは言え、兄弟とは・・


陸の美貌が、エイミーさん譲りであることは、一目見て分かった。


というか、陸とエイミーさんは瓜二つだった。


ロシア人とのハーフであるエイミーさんは、東洋と西洋のよい所を絶妙に取り入れ、


一つの狂いもなく整えられた端正な顔立ち。


この世にこんなに美しい母親が存在するのかと信じ難い程の・・


絶世の美女とはこの人の事だと確信させる美貌の持ち主だった。


しかし、エイミーさんの美しさに圧倒されている場合ではなかった。




< 141 / 144 >

この作品をシェア

pagetop