【企画】春の風に乗せて
ああ、どうしよう。
もうすぐで卒業しちゃうのに。
高木くんが大好きになっちゃった。
ーーその日の放課後。
「ひゃ〜忘れものしちゃった」
帰宅途中で忘れものに気づいた私は急いで教室に戻って来た。
私ってほんとドジ。
教室の扉に手をかけたその時。
「そういえば裕太郎、渡辺に話しかけてたな」
私の名前が聞こえてきて動きを止める。
中に居るのは…高木くんと男女数人。
なんとなくだけど、教室に入りずらい状況。
どうしよう。
「渡辺さんって友達いないでしょ?」
「暗いし、なに考えてるか全然わかんない」
…これって悪口、なのかな…?
でも確かにその通りだし。
自覚してることだし。