【企画】春の風に乗せて
一瞬ビックリしたように目を見開いたけれど、ふっとこぼすように笑ってくれた高木くん。
「おはよう、渡辺」
笑かけてくれて、ありがとう。
名前を呼んでくれてありがとう。
すごく最高の気分。
「あのね高木くん。卒業式が終わったら話したいことがあるんだけど…」
「今話そうよ」
「え?」
まさかの返答に思わずたじろぐ。
いま…!?
「今はちょっと…」
「じゃあ、俺が今から話すね」
クラス中が静かに私たちを見守る。
なんだかソワソワして落ち着かない。
なんだろう…?
今からなにを話すんだろう…?