チャット恋愛注意報!!2 ~メガネ男子とハプニングkiss !?~ (旧)
「大丈夫?」
「あっ……ありがとっ……」
「うん」
ゆっくりと体が解放され、YUKIは何事もなかったかのように微笑んだ。
「……もしかしてYUKIは、急ブレーキがかかることを知ってたの……?」
YUKIは運転士さんを見ていた。 つまり、その先の景色も見ていた……はず。
踏切が近づいてきた時、直前横断する人を見たからこうなることを予測して……それで、私が転ばないようにと抱き締めた……?
「まぁ、ここまでの状態になるとは思ってなかったけどね」
ニコッと笑ったYUKIは、いつものYUKIと変わらなくて。
私の頭を優しく撫でながら、小さく小さく言葉を放った。
「咲良が無事でよかった」
その言葉のあと、YUKIはまた景色を眺め始めた。
……ズルいよ、YUKI。
さっきまでは敬語使ってて、あんなに怖い笑顔を見せてたくせにさ。
急ブレーキがかかるってわかった瞬間に私を抱き締めて、守って、微笑んで。
『咲良が無事でよかった』なんて、そんな風に言うのはズルい。
……好きって気持ちが抑えられなくなるじゃん。
私はずっと『友達でいい』って思ってたし、今のYUKIとの関係に満足していた。
なのに、そんな風に言って微笑むなんてさ……そんなのズルいよ、YUKI。
私の想いを知っていて、そして『応えられない』と言ったのはYUKIでしょう?
だったらどうして、私に優しくするの……?